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自説・自論

北剣連 名誉会長 永石雅章
摺り足についての考察(第3回・全3回)

  また、昔は真剣勝負に臨んだ時の心得としても説かれている。それを幕末の剣客・窪田清音もつぎのように教えている。曰く「小笹原、茅原の中切株多く足の運び悪しきときは必ず踏み立て禍あるべし。足を低くはこびて摺るこころにし探りあるきにせざれば足を破るべし。時ありて敵より菱等を蒔き歩行に艱しむことあるべし。又切株と同視し摺り足に踏み出ずる時は難に遇うを逸るべし。剣法の習いは手の作法よりも足の運びに心を用いて動作に慣れざれば活(はたら)き成り難し。板敷の上を歩行するにも足音高きが如きは戦いの動作に宜しからず」と。
 高野佐三郎先生の幼少の頃に、道場に豆を撒いて稽古をさせられたというが、豆を踏めば足裏が痛く、ころび易くもなるから、自ずと摺り足にならざるを得ない、そのための稽古法であったのである。
 以上の理由により、膝をあげず摺り足で行うことが如何に重要であるかを理解し得るであろう。

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